こだわりのロングセラーNo.3

『Zライト』 

 

照らしたい手元を思いどおりに、明るくすることができる。そんなアーム式の

「Zライト」は、山田照明の社長が、小学生だった子どもたちの勉強する姿を

みて考案されたらしい。

そんなエピソードを聞くと、勉強中にアームの部分をキュッと引っ張って、

手元を照らし、勉強に集中したという記憶がよみがえる人も多いのではなかろうか。

いえ、私は暗い彼氏の部屋でZライトの光のもとで、はじめてオンナになったの♪

Zライトを見ると股間がうずくわ、、、という体験の持ち主は珍しい。(笑)

はすぴーは中学3年の夏に、白いZライトを買ってもらい、こいつと共に高校受験、

大学受験をおこなってきた。どうも受験勉強というと、冬に半てんを着込んで、

足元には足温器、机の上にはラジカセ、そしてZライトが晧晧とノートを照らしている

イメージがある。勉強に厭きると音楽のボリュームを大きくして、机をドラム、

Zライトをシンバルにみたて、鉛筆ステックでドラマーになるのだ。

できれば、BGMは「メリージェーン」あたりがいい。そんなわけで、はすぴーの

使っていたZライトは部分的にへこんでいる。その後、我が家のZライトは、しばらく

実家で眠っていたが、それを最近になって次女が引っ張り出し、20年間の時を越え、

現役として復活している。バネの部分は少々錆びているもの、何の問題もなく使われて

いるのだ。もちろん電球は取り替えたが、購入以来30年が経ち、親子2代にわたって

使用している我が家の長寿アイテムのひとつなのである

 

↑ はすぴー@娘の部屋

さて、話を戻すが、アームライトのロングセラーとなった「Zライト」は、1954

(昭和29)年、工業用作業灯として発売された。当時は「山田式Z型作業作業スタンド」

と呼ばれ、「Zライト」を名乗るのは、もう少しあとのことである。

学習用として売り出されたのは、1950年代後半になってからだが、当初はハードな営業

活動が展開されたという。

営業の中心は、巡回販売で、営業部員が得意先の問屋の営業マンと同行、町じゅうの

小売り店やテレビ・ラジオ店を一軒一軒回った。ひとたび営業に出ると全国を駆け巡り、

車に満載したZライトが完売するまで、会社に戻らなかったという。

また、店頭に展示されたZライトを掃除したり、他社のライトにつけられた「Zライト」

という札をはずし、Zライトは山田照明のブランドであることを説明するために、こま

めに足を運ぶことも忘れなかったそうだ。

1976年から77年までのCMキャラクターには、当時はまだ無名だったタモリや

マリアンが起用されていたことを覚えているだろうか。才能のあるタレントの卵にも

Zライトは光を当てる役割も果たした。(←自分ながら実にうまい表現だ(^_^)v)

このような地道な努力が実を結び、Zライトは学習・事務用照明の定番の地位を確立して

いったのであろう。我が家の次女もZライトのように地道に努力してもらいたいものだ。 

 

山田照明株式会社のホームページ

(原稿:2001.9.2)

 

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