『あきすとぜねこ』

そもそも女性は「占い」が好きだ。その昔、日本が「倭の国」と呼ばれていた頃、

卑弥呼ちゃんも占い好きだったと言うし、桜田淳子ちゃんだって「愛してる?

愛してない。。。」と花うらないをし、アグネス・チャンだって丘の上、ひなげしの

花で「来る、来ない、帰らない、帰る」と悩んでいた。

 

最近ではOLや女子高生の間で「動物占い」なるものが流行り、はすぴーは

「ゾウ」だと占われた。(ケっ!そうよ、かぁーさんも長いのよ♪)

さらにインターネットで占い関連を検索するとあるわ、あるわ、、、四柱推命、タロット、

風水、夢占い、姓名判断、星占い、、、あげればキリがないが、特に目をひいたのが、

「家電占い」「回転寿司占い」「携帯電話番号占い」であった。こんなもので一体、

何がわかるのじゃい・・・という感じであるが、とにかく世の中の女性は占いが好き

な証拠だと言えよう。

 

さて、はすぴーが小学生の頃には「恋愛相性占い」として『あきすとぜねこ』と

『パーセント』いう占いが女子に人気があった。この占いは全国的に浸透していたよう

なので、たぶん、はすぴーと同世代のおじさんたちにも懐かしい一コマなのではなか

ろうか。そこで今回はこの2つの占いについての思い出を書いてみよう。

 

【あきすとぜねこ】

 

この遊びを知らない人にとっては、「何か新種の猫が沖縄あたりで発見されたのだろ

うか」、いや「秋にストを行うゼネコンの俗語だろうか」と思うかも知れないが、

これは次の頭文字を並べただけの言葉なのである。

『あ』・・・愛している

『き』・・・嫌い

『す』・・・好き

『と』・・・友達

『ぜ』・・・絶交

『ね』・・・熱中

『こ』・・・恋人

 

占いのやり方を説明するのが、面倒になってきたので【こちら】を参考にして欲しい。

(必殺、他力本願 勝手にリンク 大胆不敵な手抜きの術)

 

要するに、自分と占いたい相手の名前を数字に置き換え、消去していって残りの

数字で「あきすとぜねこ」を決めるわけだ。

 

たとえば、相手側で残った数字が「6」であれば、6番目の「ね」となり、その相手は

自分のことを「熱中」しているということになる。そして女子たちは

「きゃゃゃ〜♪ 若月くんったら 由紀子のことを熱中しているわよ!」

「うふ、若月くんっ♪、、、、そうだったのね。私の方は(あ)よ。愛しています」

「いいなぁ、由紀子。そういうのを相思相愛っていうらしいのよ」

とまぁ、単純なことで勝手に盛り上がってしまうのだ。

 

若月くんのように女子にもてるやつは、たいていの女子のえじきにされていたが、

何度やっても結果が同じというのが、この占いの欠点で、女子たちは次々とえじきを

変えては「うっふーん」「あっはーん」と悶えていたようだ。

そしてカッチョええ男子がいなくなると、「しょーがない、はすぴーくんとでも占って

みるか」という段取りになる。

「あら、嫌だ。はすぴー、わたしのこと恋人だと思っている。勝手なやつねぇ」

「おーまいがー、最低。はすぴーのやつから好きだと出たわ。厄除けしなくちゃ」

「ふん、わたしなんて はすぴーから絶交だとさ。こっちだって絶交よ、フン」

このように勝手に恋人にされたり、絶交を言い渡されたりするから占いとは恐ろしい。

 

非常に単純で何の根拠もないこの占いは、子どもたちには十分に楽しいものだったようで

全国規模で流行っていたらしい。地域によると「あきすとぜねこけ」というのもあって

最後の「け」は「結婚」を意味するものらしい。従って この場合「好き系」は4つあり

8分の4の確率で「好き」系になってしまうのは、少々、都合がいいように思われる。

 

ところで「あきすとぜねこ」が今でも小学校で流行っているのかを、娘(小学4年)に

聞いてみたら、「その占いは知っているよ。でも流行るのはクラス替えの時だけ。

ゲームボーイの恋人占いの方が人気あるよ」とほざいていた。(ちぇ!)

 

でも、世の中には「あきすとぜねこ」を愛し続ける人がいるようで、名前を入力するだけで

自動的に「あきすとぜねこ」を判定するプログラムを作り、オンラインで無料配布している

人がいたから、驚いた。

 

ちなみに 今、はすぴーは カミサンの旧姓と「あきすとぜねこ」をやってみたところ、

はすぴーは『絶交』で、カミサンは『愛している』と判定された。うーむ、まんざら

ハズレでもなかろう。。。。。

 

 

 

【パーセント】

 

この占いの正式名称は知らないが、はすぴーの周辺では「パーセント」と呼ばれていた。

地域によっては「相性計算」と呼んでいたところもあるようだ。占いの方法は「あきすとぜねこ」

と同じように、二人の名前を数字に置き換えどんどん数字を足し算していく。

 

田原俊彦と松田聖子の場合

1115225

131425

−−−−−−−−

2429475

661312

 27443

  9187

  095

   94%

 

この最後の2桁の数字が自分と相手の「相性」または「結婚する確率」とも言われ、限りなく

「100%」に近い数字を望んで占ったもんだ。

前述の「あきすとぜねこ」は複数の友達の間で「きゃ〜きゃ〜」いいながら休み時間中に占う

ことに対し、この「パーセント」は自分一人で、こっそり授業中に占う傾向があった。

 

はすぴーも中学1年の時に、片思いのM子さんと自分を占ったことがある。たしか国語の時間で

「宮沢賢治」の写真のあったページに小さな数字で足し算をした記憶がある。

計算結果、、、、、「21%」。。。。「おっおっ、、、なんってこったい。はすぴーは

こんなにもM子さんを好きだというのに、21%とは。きっとこれは計算ミスにちがいない」

こうして何度も何度も「検算」をしたが、結果は同じであった。(ふだん数学のテストでも

検算をしないはすぴーであったが、この時は5回くらいやったと思う)

「ううう、、、これを大人の世界では許されない愛というのだろか。M子さん、はすぴーは

君のために名前を変えてしまいたいっ」と真剣に思ったもんだ。

そしてうちひしがれている時に、悪友Kが「おい、はすぴー、お前とS子の相性、占ったら

98%だったぜ。仲良くやれよな。ひゅーひゅー」と辛かいやがった。

S子というのは、たしかに勉強はできた。頭は良かった。学級委員でもあった。家も大きく

金持ちのようだった。しかし、あまりにも容貌が人間離れしていて、教室中にブス菌を発散

しているかのようだった。

「M子さんとは21%で、S子と98%」この言葉が頭の中をエンドレステープのように循環

していた。この日は部活をズル休みして、トボトボ帰宅し、夕食も満足にとらずにフテ寝した

ことを今でもハッキリと覚えている。

 

こういう思い出ばかりあるので、はすぴーは占いにはあまり良いイメージを持って

いない。大学受験の時も西新井大師で「おみくじ」をひいたら「凶」を出してしまい、

みごとに全滅したことがあったし、手相占いでも出世は望めないと判定された。

だから占いは基本的には信じないように心掛けている。

しかし、週刊誌を読んでいて「星座占い」があるとつい目がいってしまうのはなぜなのだろう。

 

「あの頃」のセピア色の想い出 



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